富士山の観光登山は7月から9月と期間が限られますが、近ごろはこの時期に台風が立て続けに発生し天候が崩れがちです。
昨年は富士登山中に台風の直撃を受け、やむなく8合目から下山したため、今年も富士登山にチャレンジしました。
前回は山梨県の富士スバルライン5合目から上りましたが、今回は静岡県の富士宮5合目から山頂を目指しました。
富士登山はしっかり準備を
はじめて富士登山を行ったときは、知識もなかったので富士吉田口から山小屋で休まない弾丸登山。
夕方から登り始めて、なんとか高山病にもかからず7時間かけて山頂までたどり着きましたが。。。
山頂は気温3~5度。
時折横殴りの雨が降り、疲れ切った体に尋常でない寒さが襲います。
体感はスキー場にいるのと変わらないほどです。
手袋をもっていかなかったので、寒さで手の感覚がなくなり、恥ずかしながら見ず知らずの人に財布を渡して、自動販売機からホットコーヒー買ってもらいました。
ご来光までの数時間は本当に死ぬ思いでした。
富士登山出発から富士宮口のレストハウスまで
集合場所は新宿センタービル
今日は2019年8月2日(金)。
ツアーの集合場所は新宿センタービルの前。
7:30出発なのでちょっと早めに7:00に到着。
それでも既にツアーの参加者でセンタービルの前はたくさんの人。
富士宮口五合目レストハウスに到着
バスは満員。海老名サービスエリアでの休憩をとって約3時間で富士宮口五合目レストハウスへ到着します。
山梨の富士スバルライン五合目とは異なり、静岡の富士宮口五合目にはレストハウスが1軒しかありません。
そのためツアーバスの到着が重なると多くの人で混雑します。
富士宮口五合目で水の値段は?!
恒例のお水値段チェックです。
富士宮五合目では『いろはす』が300円になります。
ちなみに八合目を超えると『いろはす』が500円になります。
同様に飲み物や食べ物は高山価格になりますので、重くても持参したほうが割安です。
もちろんゴミ箱もありませんので、全てゴミは持ち帰りましょう!
富士宮口五合目レストハウスの食堂は
レストハウスの食堂は100人は入らないくらいですので、ツアーバスが到着するとすぐ満席になります。

登山前にしっかり腹ごしらえしましょう。

富士宮口五合目レストハウスの更衣室は?
レストハウスの食堂の座敷部屋が更衣室として利用されています。
以下の写真のように男性用・女性用で1室ずつカーテンで仕切られたお座敷があります。
それぞれのお座敷をみんな共用で利用します。食事している人の隣で着替えるので女性にはちょっと大変かと思います。
それ以外はトイレの個室で着替えるしかありませんが、それはそれで大変です。

富士宮口五合目レストハウスのロッカーや荷物預け所は?
ロッカーはありませんので、以下の写真のように食堂の片隅に置かせてもらうことになります。
利用する場合は、食堂のおばちゃんに要相談です。

新七合目のご来光荘へ向けてして登山開始
富士宮ルートのオススメポイントと注意点
富士宮ルートは、4つの登山ルート(吉田ルート、富士宮ルート、御殿場ルート、須走ルート)の中でも2番目に人気のルートです。
オススメポイント
・登山ルートの中で最も登山口の標高が高いため、最短距離で山頂に到達できます。
・宝永大噴火でできた宝永火口や宝永山を間近で見れます。
・山頂口が浅間浅間大社に一番近い。
・山頂口が剣ヶ峰に一番近い。
・他のルートに比べトイレ事情が悪くない。
注意ポイント
・急な岩場が多く登るには体力が必要なため、山頂までの距離は最短でも登山に慣れていない方には時間がかかるルートになります。
・下山ルートも同じため急な岩場を降りて来る必要があります。(普段運動をされていない方は、膝や腰が悲鳴を上げますので心して向かってください。)
・九合目から山頂までのルートが狭いので行列ができる。
・富士宮ルートの山頂からではご来光が見づらい。(吉田口の山頂側に移動する必要があります。)
富士山保全協力金について
五合目の登山口で富士山保全協力金(1人¥1,000)の支払いをお願いされます。
富士山保全協力金の目的
・ヘルメット等の整備
・救護所の設置や開設期間の延長
・仮設トイレの設置や修繕
・安全誘導員の配置等
富士登山をすると仮設トイレなど登山者が安全に登山できるためのインフラを維持するのにはお金がかかることは容易にお気づきになると思います。

富士宮ルート五合目登山口
五合目登山口
・標高:2,400m
・主な施設:レストハウス(売店、食堂)、富士山総合指導センター
・六合目まで:登山時間20分、標高差:90m
いよいよ富士宮ルートの登山開始です。
まずは六合目に向けて標高2,400メートルからのスタートです。『富士山表口五合目』とあります。静岡県側が富士山の表口ということでしょうか!?

火山灰の赤砂利道が六合目まで続きます。
歩き始めて20分、六合目が見えてきました。
富士宮ルート六合目
六合目登山口
・標高:2,490m
・主な施設:雲海荘、宝永山荘
・新七合目まで:登山時間60分、標高差:290m
・五合目まで:下山時間10分、標高差:90m
六号目には雲海荘と宝永山荘があります。

六合目からは富士山の山頂を目指すルートの他に、宝永大噴火の火口や噴火でできた山の宝永山を目指すルートがあります。
富士宮ルート六合目から宝永火口を目指す
今回は時間があるので、宝永火口まで行ってきました。
六号目から宝永山方面へのルートは一人が通るのがやっとの道幅です。
細い道がしばらく続きます。
富士宮六合目から300m。まだ細い道が続きます。
細い道を登りきると、一気に視界が開け、宝永第一火口が眼下に広がります。
こちらが宝永第一火口です。奥に見える山が宝永山です。

写真に写っている宝永第一火口を通って宝永山に向かうルートがあります。

標高2,420mの宝永第一火口に到着!木のベンチが設置してあるので一休み。

富士宮ルート六合目から新七号目を目指す
六合目まで戻ってきました。新七合目方面の登山ルートは一気に急勾配になります。
岩場が多く、勾配もキツいのでなかなか上れませんでした。

富士宮ルート新七合目
新七合目
・標高:2,780m
・主な施設:ご来光山荘
・元祖七合目まで:登山時間50分、標高差:230m
・六合目まで:下山時間25分、標高差:290m
17:00。ようやく新七合目に到着しました。
ここから富士山頂までは2.8kmしかないのに遥か遠くに見えます。
今回は新七合目のご来光山荘さんにお世話になりました。ここで23:00まで仮眠して高度順応します。
山小屋での夕御飯は定番のカレーライスです。
お部屋については、ほとんどの山小屋は共用スペースに寝袋で雑魚寝が多いのですが、ご来光山荘さんは部屋が個室で布団で休めるのが大変嬉しいところです。

富士山頂を目指して登山再開
23:00。天候は晴れ。気温16度。予定通り山頂目指して登山開始です。
ここからは登るにつれて気温が下がっていきますので、防寒着着用で登ります。
明日の日の出の時間は4:50。
真っ暗闇をヘッドライトの明かりをもとに登山ルートを登って行きます。
山頂でのご来光まであと6時間。
富士宮ルート元祖七合目
元祖七合目
・標高:3,010m
・主な施設:山口山荘
・八合目まで:登山時間40分、標高差:240m
・新七合目まで:下山時間25分、標高差:230m
ゆっくり登って元祖七合目に約1時間半かかって到着。
元祖七合目でも宿泊していた他のお客さんが続々と出てきて山頂を目指します。
山頂でのご来光まであと4時間半。
富士宮ルート八合目
八合目
・標高:3,250m
・主な施設:池田館、富士山衛生センター
・九合目まで:登山時間30分、標高差:210m
・元祖七合目まで:下山時間20分、標高差:240m
八合目に約1時間半かかってやっと到着。3000メートルを越えた途端、進むペースは衰える一方です。
山頂でのご来光まであと3時間。
富士宮ルート九合目
九合目
・標高:3,460m
・主な施設:万年雪山荘
・九合五勺まで:登山時間30分、標高差:130m
・八合目まで:下山時間15分、標高差:230m
九合目に約1時間かかってやっと到着。気温は8度。さらに防寒着を上下で着用。
山頂でのご来光まであと2時間。


富士宮ルート九合五勺
九合五勺
・標高:3,590m
・主な施設:胸突山荘
・山頂まで:登山時間30分、標高差:約110m
・九合目まで:下山時間20分、標高差:130m
4時に九合五勺に到着。あと50分で日の出です。


富士宮ルート頂上
富士宮ルート頂上
・標高:約3,700m
・主な施設:富士山浅間大社奥宮、頂上富士館
・剣ヶ峰まで:登山時間30分、標高差:70m
・九合五勺まで:下山時間20分、標高差:240m
4:45。なんとか日の出まで山頂に到着しました。
山頂はご来光を見るため東向きの斜面は人だかりです。


向こうの尾根にはたくさんの人です。
富士宮ルートから登山した場合は、早めに山頂に登り、東側に遮るもがない場所を探すことをお勧めします。

ご来光の後は、日本一のパワースポットで有名な富士山浅間大社奥宮が多くの人で賑わっていました。

次は、日本一高い剣ヶ峰や富士火口を見に行きましょう。
富士山火口


日本最高峰の剣ヶ峰
剣ヶ峰
・標高:約3,770m
・主な施設:富士山浅間大社奥宮、頂上富士館
・剣ヶ峰まで:登山時間30分、標高差:70m
・元祖七合目まで:下山時間20分、標高差:240m
日本で一番高い場所、剣ヶ峰。



富士山の二等三角点。
富士宮ルートで下山
今回はバスツアーのため、11:00には5合目に戻らなければなりません。
富士宮ルートは、登ってきたルートと同じルートを下山することになります。
現在7:00。遅れると他のツアー客に迷惑がかかります。
お鉢めぐりもしたかったのですが、体も結構限界です。
通常2時間ちょっとで下山できるらしいのですが、余裕を持って4時間かけて下山することにしました。


今回のお出かけまとめ
今回のポイント
今回は宝永大噴火の火口や宝永山を間近に見ることができました。
天候にも恵まれ無事山頂でご来光も見ることができました。
日本で一番のパワースポットで有名な富士浅間大社奥宮にもお参りできました。
日本で一番高い剣ヶ峰にも登頂できました。

帰りは日帰り温泉で疲れを癒し、日本一うまいキンキンに冷えた地ビールでご満悦でした。
みなさんも是非、気軽にバスツアーで富士登山に行って見てください!